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幻水Memo

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2025.05.13 (Tue) Category : 

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坊4主小話

2009.09.06 (Sun) Category : 小話

小話第一弾は坊4主です^^

本当に小話ですが、読んでやるぜ! と言う方は下記の「つづきはこちら」からどうぞ^^

次は何を書くかな~♪


 

*****

 手が触れる。
 ごつごつを大きくて、指や掌に出来たタコは硬くて柔らかさなど無縁の手。
 それでも、その手が触れると心地よくて思わずうっとりと目を閉じてしまう。

「ティル? 大丈夫?」

 ラズロが心配そうに眉を寄せてティルの顔を覗き込む。

「ん・・・。手、気持ちいい」
「手? もう冷たくないけど・・・、このままにしておく?」
「うん」

 額におかれたままのそれは、先ほどまでひんやりと冷たかったのだが、ティルの体温を吸って暖かくなってしまっていた。
 けれど、ティルにとってはラズロの温もりそのもの重要なのだから冷たかろうが暖かろうが関係がなかった。

「・・・あんまり、無理はしないで」

 そっと囁く声に瞼を開ける。美しい深い青の瞳がまっすぐに見つめていた。
 ティルはもう一度「うん」と頷く。

「分かってる」

 ラズロが護りたいのは、テッドの魂を宿した紋章だと言うことを。
 ティルが命を落とせば、命をとしてまで紋章を託したテッドの気持ちが無駄になってしまうと思っていることも。
 己を通してテッドを見ているラズロを、それでもティルは惹かれていた。

 たとえ身代わりでもいい。傍にいられるのなら。

 我ながら青臭いと思うけれど、真実、求める人が現れるとそんな恥ずかしいことすら本気で思えるのだから笑えてしまう。
 自嘲気味笑う。

「分かってない」

 そのとたんラズロがきっぱりと言い切った。
 一瞬何のことなのか分からなくて目を瞬けば、ふいにティルの唇に柔らかい感触が触れる。それがラズロの唇であると理解したのはすでに離れてからだった。

「・・・ティルはティルだ」

 珍しく少し不機嫌そうに眉を寄せたラズロを信じられないような思いで見つめ返した。
 そうして、彼の言葉の意味を知ると同時にティルはラズロに手を伸ばす。
 肩を引き寄せ、間近にあるラズロの唇に己の唇を寄せた。

「好きだ」

 万感の想いを込めて。




*****

坊4主でございましたー。
出来上がってみれば何じゃこりゃ。でしたが、楽しかったです^^
この二人はいろいろ複雑でまさに妄想しがいがありますね!

それでは、次の小話でお会いしましょう!

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